蔵/古民家

当時銀行の書類庫として使用されていた蔵をギャラリーとして改装した「蔵ギャラリー」を公開しております。
その他、鳳来館の敷地内にございます古民家も無料開放しております。

蔵

本館の西側に建つ土蔵は、銀行の重要書類等保管に使用していた模様です。構造は土蔵造2階建、切妻造平入桟瓦葺で、明治中期に初代本館と同時に建築されたとされています。1階は下見板張、2階は白漆喰仕上げ、2階の窓に木製庇を付けています。

平成24年（2012）3月1日より、蔵ギャラリーとして一般公開されています。1階には、仏像が約10体あり、2階には、東海道五十三次の絵巻や岡本一平が中心となりつくられた肉筆漫画、漫画紀行、開国六十年史図絵など数多くの美術工芸品が展示されています。

古民家　旧とりや
年代　明治中期頃
屋号　とりや
待合小料理屋としての他、肉店としても営業。
この時代の大野は林業を中心とした産業で栄えていました。大正後期には三河大野駅から鳳来館近辺までの駅通りは人や物資の商取引の中心地となります。

建物の造りは、粋人が関わったことを思わせるような造作が随所に施され洒落た様相が窺える構造となっており、中でも二階壁面の奴絵は、往時の職人技の秀逸さを感じることが出来ます。

2012年、鳳来館お隣の店舗を取り壊すと、この古民家が姿を現しました。１階、２階それぞれに２つの部屋とお手洗いがある構造。台所や居間らしき部屋はないため、一般的な家の構造ではありませんでした。それぞれの部屋は完全に独立した間取りとなっており、誰にも顔を合わすことなく部屋の出入りが出来る構造です。

建物の構造と建てられた時代背景をから、当時の商人が密談を行ったり、こっそりと男女が落ち合う待合小料理屋として使われていたと推測されています。現代風に言えば、個室喫茶または、レンタルスペースのような空間であったと推察できます。